国土交通省は、今年1〜3月(第1四半期)の宿泊旅行統計調査の結果をまとめた。延べ宿泊者数は前年同期比1.4%増の7351万人泊だった。このうち日本人は0.9%増の6808万4千人泊。外国人は542万人泊で、全体の7.4%を占め、前年同期比で8.8%の増加となった。外国人を都道府県別にみると、宮城県、大分県、静岡県などの伸び幅が大きい。
同調査の実施は2年目に入り、今回分から前年比較が可能になった。同時に、施設数など一定条件を満たす市区町村単位の結果の発表も始めた。また、調査項目の追加で、延べ宿泊者数だけでなく、宿泊者の実人数が把握できるようになった。
調査対象は、従業員10人以上のホテル、旅館、簡易宿所で合計1万171施設。今回の回収率は71.7%だった。
■外国人の動向
都道府県別の外国人延べ宿泊者数は、東京都の183万人泊、北海道の60万人泊、大阪府の58万人泊などが上位を占めるが、増加率では宮城県が76.0%増(延べ宿泊数3万7千人泊)と最大の伸び幅。宮城の伸びは仙台〜香港定期便が再開した効果とみられ、外国人宿泊者全体の38%を香港が占めた。
このほか、外国人の伸びで目を引くのが、大分県の42.6%増(同11万人泊)、静岡県の42.8%増(同10万3千人泊)。構成比をみると、大分県は韓国が83%を占めている。静岡県は中国25%、台湾23%で約半数に達している。
外国人1人当たりの同一施設での宿泊日数は平均1.49泊だった。都道府県別では、高知県が韓国のプロ野球チームのキャンプを受け入れた効果で2.65泊と最多。続いて茨城県が2.03泊、東京都が1.86泊、長野県が1.78泊など。
外国人延べ宿泊者数を国・地域別に構成比上位6位までをみると、(1)韓国=前年同期比17.7%増の119万人泊(2)台湾=0.6%減の89万人泊(3)アメリカ=9.0%減の60万人泊(4)中国=24.1%増の56万人泊(5)香港=31.8%増の50万人泊(6)オーストラリア=51.4%増の21万人泊──。このほか8位のシンガポールが30.5%増の11万人泊と大幅な伸びを示した。
■全体の動向
日本人、外国人を合わせた延べ宿泊者数の都道府県別では、東京都、北海道、大阪府、千葉県、静岡県の上位5位までで全体の3割超を占める。増加率では茨城県が12.3%増、福井県が10.5%増、徳島県が9.9%増、長野県9.3%増、奈良県が7.5%増などで大きな伸びを示した。
1人当たりの同一施設での宿泊日数は1.28泊。上位は、沖縄県の1.57泊、東京都の1.42泊、長野県の1.36泊。これを市区町村別でみると、全国1位は大阪府堺市の1.78泊、2位は愛知県豊田市の1.76泊、3位は沖縄県恩納村の1.69泊となった。
一方、宿泊施設の定員稼働率は全国平均43.0%で、形態別では旅館30.3%、リゾートホテル40.0%、ビジネスホテル58.1%、シティホテル56.6%だった。
月別の定員稼働率は1月が38.4%、2月が43.7%、3月が46.9%だった。旅館は1月27.7%、2月30.0%、3月33.1%、リゾートホテルは1月36.1%、2月39.3%、3月44.5%で推移した。